次は、意匠についてです。
意匠について必要な基本的知識は、スライドNo.22に示したとおりです。
まず、「意匠」は、要するに、物品または物品の部分の外観に関するデザインです。(例外はありますが。)
工業製品を始めとして、テキスタイル、ファッション、ジュエリー、クラフト、パッケージなど、種々の物に関わるデザインがあります。
次に、「意匠」は、事業で継続して利用されることによって、その財産的価値が高くなる可能性があります。いわゆる「ブランド化」ですね。
意匠権は、中小企業、個人事業主にとって重要性が大です。うまく使ってあなたの会社の独自製品のニッチ市場を守ってほしいです。
これは、被疑製品を見るだけで、直ちに意匠権の侵害である、あるいは、侵害の可能性が非常に高いことが判明する場合がほとんどのため、侵害発見や権利行使が容易だからです。
特許のように、被疑製品を分解したり分析したりして、権利範囲に入るか否かを厳密に検討する必要がないため、裁判に持ち込む必要性も小さいです。この点だけでも、中小企業に最適な知的財産権だと思います。
スライドNo.23に記載された登録意匠(発光ダイオードランプ)は、当所が代理したもので、発光部の形状とその外観がユニークなため、登録に至ったものと思われます。
そのユニークな発光部の形状と外観は、次のスライドに載せています。
「発光ダイオードランプ」という物品については、【意匠に係る物品の説明】の欄に記載したとおりです。
スライドNo.24には、「発光ダイオードランプ」の外観を示しています。
発光部の形状と外観がユニークであることがお分かりになると思います。
次に、「意匠」の事例を使って説明します。
スライドNo.25に描かれているのは、「腕時計側」の登録意匠の例です。
「腕時計側」とは、腕時計本体において、文字板(又は液晶表示板)、針、及び、機械体を除いたもので、ウオッチケースとも呼ば れ、腕時計の内部を保護するために設けられます。
スライドNo.25の「腕時計側」は、スプーンをひっくり返したようなデザインが特徴です。
また、「腕時計側」の意匠ですから、文字盤は登録意匠に含まれません。
この登録意匠は、B社の腕時計「アルバ・スプーン」に使用されたのですが、同製品が大ヒット商品となったため、競合他社から多数の類似品が発売されました。
ここで、B社の考え方と行動について、考えてみましょう。スライドNo.26には、それが整理して書かれていますので、ご参照ください。
まず、腕時計側の登録意匠の創作過程についてですが、創作者は、この種の腕時計のターゲットである若者が集まる場所に行き、その場の雰囲気を掴むと共に生の声を聴きました。
そして、それらを参考にして、彼らの行動様式や価値観を研究し、デザインを完成したのです。(これがヒット商品となった理由の一つかもしれません。)
続いて、B社は、その意匠を採用した腕時計を発売する前に、日本だけでなく外国でも意匠登録出願をし、日本と外国の双方で意匠権を取得しました。
そして、発売後に出てきた多数の類似品(模倣品)を排除するため、日本では、それらの販売会社に対し積極的に、意匠権侵害を理由として類似品(模倣品)の販売停止を要求する「警告書」を送りました。
これは一定の効果があったそうです。
また、輸入される類似品(模倣品)に対しては、税関に輸入差し止めを申請しました。
こちらは絶大な効果があったとのことです。
以上から分かるように、競合他社からの類似品(模倣品)の排除に「意匠権」が非常に有効な働きをしたのです。
この事例から何が読み取れるでしょうか?
スライドNo.27~29に整理しました。
まず、意匠権は、特許権や実用新案権に比べると、侵害行為の発見が容易であり、侵害の立証も容易で、類似品(模倣品)の排除に使いやすい、という特徴があることです。
上述したように、「税関への輸入差し止め申請」も有力な方法です。中小企業はもっと活用すべきです。
第二に、意匠に係る物品(デザインされた物品)が、小物であれば、「図面代用見本」として、その実物を使って意匠登録出願が可能だ、ということです。
また、それができなくても、その写真をとって、 「図面代用写真」として意匠登録出願ができることです。
ただし、図面、写真、見本のいずれを選ぶかで、出願する「意匠」の内容(権利範囲)が少し変わることに注意してください。
これについては、弁理士等の専門家にご相談ください。
第三に、権利範囲が広がるように、侵害行為の訴追が容易になるように、
・考え出したデザインが意匠登録の対象となるかどうか、
・対象になる場合、どのような「物品名」で出願するか、
・図面、写真あるいは見本のいずれを使って出願するか
について、慎重に考える必要がある、ということです。
これについても、弁理士等の専門家にご相談ください。
第四に、意匠権は、登録意匠そのものだけでなく、その類似範囲にも及ぶのですが、「どこまでが類似範囲になるのか」、「類似範囲に含まれるかどうか」の判断が難しい、ということです。
従って、この点については、弁理士等の専門家にご相談ください。
一般に、意匠の類似範囲は、その意匠の独自性(ユニークさ)の程度が大きい場合は、広くなる傾向があり、その程度が小さい場合は、狭くなる傾向があります。
意匠の類似範囲は、権利者が予想するものより狭い傾向があるため、自分では明らかに意匠権侵害と思っていても、裁判所では非侵害と認定されることもあります。ご注意ください。
その理由の一つは、一般に、権利者は、第三者が考えるよりも、自分の権利を強いもの、範囲は広いものと考えがちなことにあります。
第五に、デザインは、意匠法(意匠権)だけでなく、著作権法や不正競争防止法でも保護されるため、これらによる保護も同時に考えるべきだ、ということです。
第六に、意匠には、
・特許のような出願公開制度がない、
・流行に応じて出願された意匠(デザイン)は、意匠公報に掲載されないことが多い、
・意匠出願の数自体が特許よりかなり少ない
という特徴があります。
従って、自社の新規な意匠に類似する公知意匠があるかどうかを調査する際には、登録意匠を掲載して公開する「意匠公報」だけではなく、各種物品のカタログ、雑誌、ウェブサイトなどにも注意が必要だ、ということです。
第七に、技術的な問題を解決したもの(発明や考案)については、特許出願または実用新案登録出願をしますが、それが物品の形態として現れていれば、「意匠」として出願できないか、も検討すべきだ、ということです。
例えば、電子回路用コイル、ドレインホースなどの、機能が重要でデザインは重要でない物品の場合です。
この種の機能重視の物品でも、その外観や形状に独自性が見られれば、新しい「意匠」として意匠登録出願をすることが可能です。
事実、この種の物品に関する意匠について多数の意匠登録出願がされ、多数が意匠登録もされています。
第八に、先ほども少し触れましたが、意匠(デザイン)を図面で出願する場合と、図面代用写真で出願する場合と、見本で出願する場合とで、類似範囲が変わり、権利範囲が変わる、ということに注意すべきだ、ということです。
第九に、上述した第八の事項と同様に、「製品全体」で出願するか、その「部品」で出願するか、「部分意匠」で出願するかで、類似範囲が変わり、権利範囲が変わることに注意すべきだ1、ということです。
第十(最後)に、ニッチ市場の独占をより確実にするには、意匠の場合も、特許の場合と同様に、ライバル企業は将来、どのようにして自社の意匠(デザイン)を模倣した類似製品を販売するだろうかと考えて、基本的な意匠(デザイン)だけでなく、そのバリエーション(変形デザイン)についても併せて創作し、出願すべきだ、ということです。
意匠のお話は以上で終わりです。
次のスライドNo.30には、知的財産のうちの「商標」について、中小企業の経営者なら知っておくべきことを書いています。
まず、「商標」とは、自他商品識別のために、商品または役務(サービス)について使用されるマークを意味する、ということです。
第二に、「商標」は単なるマークですから、「商標」それ自体に価値はありません。しかし、「商標」を事業で継続的に使用することによって「商標」にあなたの会社の業務上の信用が一体化され、「商標」だけで顧客吸引力を持つようになります。つまり、単なるマークである「商標」に財産的価値が生じたことになります。
いつかは、自社の有名な「ブランド」に育てるのを目標にしましょう。
第三に、「商標」は、誰でも知っているような大企業だけではなく、中小企業にとっても重要性が高く、分かりやすいものです。
どうか、あなたの会社のニッチ市場を独占するために、「特許」・「実用新案」や「意匠」と共に、「商標」もうまく使ってください。
続いて、「商標」の事例について説明しましょう。
スライドNo.31には、C社の「商標」の使用例を示しています。
このスライドには、「熱さまシート」という登録商標(図案化されています)が印刷された製品の包装が示されています。
「熱さまシート」という製品は、水分を含んだジェルを不織布に塗布した冷却シートです。額などに貼って使うもので、皮膚の温度を下げることで発熱時のつらさを和らげる効果があります。
では、スライドNo.32を参照しながら、C社のとった考え方と行動について考えてみましょう。
C社は、「ユニークで独創的な製品を提供する」というスローガンを持っている企業として知られています。
C社は、前記スローガンに基づき、「額などに貼って皮膚の温度を下げることで、発熱時のつらさを和らげる製品」のニッチ市場を創造しました。
第一に、「貼るタイプの冷却シート」とのアイデア提案に基づき、 「不織布の上に塗り込む冷却ジェルシート」をコンセプトとして、先のスライドNo.31に述べたような新製品を開発しました。
そして、その新製品に「熱さまシート」というユニークな名前を考え出し、商標権を取得しました。
なお、前記新製品に対する「熱さまシート」というネーミングは、
「ネーミングは常に『わかりやすさを徹底的に追求』し、見ただけ・聞いただけで何に使う製品なのか、どんな製品なのかが分かるものを選択する」
というC社の方針に従って検討した結果だと思います。
これは、上述した「ユニークで独創的な製品を提供する」というスローガンにも沿ったものでしょう。
第二に、「わかりやすさを徹底的に追求する」という方針でマーケティングを行いました。
つまり、見ただけ・聞いただけで、何に使う製品なのか、どんな製品なのかが、消費者に分かるように告知したのです。
具体的には、商標とパッケージで、製品コンセプトや使用方法を消費者に正しくわかりやすく伝えるようにしました。
そうして、新製品の名前が消費者の印象に残るようにしたのです。
第三に、「熱さまシート」という名前(登録商標)に加えて、「熱さま坊や」という通称とそのキャラクターを考案すると共に、それらも併せて商標登録しました。
次に、この事例から読み取れることを考えてみましょう。
まず、(1)新製品に付ける商標のユニークな発想法が挙げられます。
これは、新しいニッチ市場を生み出すための有効な考え方、と言えるかもしれません。
C社の「ユニークで独創的な製品を提供する」というスローガンに基づくもの、とも言えるでしょうね。
次に、(2)C社は、「パッケージは物言わぬ営業社員」との考えを持っているようです。つまり、店頭でお客に語りかけるのが、パッケージとそれに付いた商標であるとの考え方です。
さらに、(3)「見ただけ・聞いただけで、何に使う製品なのか、どんな製品なのかが分かるような商標(名前)は、商標登録が困難のものが多い」という事実があります。
C社はもちろん、その事実を知っていますが、敢えてそのような商標を考案し、出願を続けているのです。 そして、特許庁審査官から「商標登録できないものである」との否定的見解を示されても、粘り強い対応で前記事実を克服し、商標登録に結びつけてきたことが伺えます。
(4)歯間ブラシの商標「糸よーじ」も、「熱さまシート」と同様に、苦労して商標権を取得しています。
(5)この事例は、ネーミングとマーケティングとの連携の重要性が分かる事例だと言えます。
スライドNo.34には、先のスライドNo.33で触れた「歯間ブラシ」の登録商標「糸よーじ」の例を示しています。
スライドNo.34の登録商標「糸ようじ」の登録番号は、第2707204号ですが、それ以外に、指定商品や字体等を変えて複数の登録番号で登録されています。
「糸ようじ」の商標は、その製品の形態それ自体が「立体商標」としても登録されています(登録第4425480号)。
続いて、スライドNo.35を参照しながら、「商標」の事例5について説明します。
事例5の登録商標は「パワーステーション」ですが、その商標権者であるD社の商号は、株式会社パワーステーションです。
従って、登録商標「パワーステーション」は、意匠権者であるD社の商号から「株式会社」の部分を除いたものと同一となっているところが、事例5の特徴です。
登録商標「パワーステーション」が使用される指定商品は、「食肉、加工食料品など」です。
他方、E社は、ロック音楽レストランで、「POWER STATION」というマークを、ホットドッグやハンバーガーを入れた食器や包装用紙に付けて、客に提供していました。
事例5の経緯をスライドNo.36に示しています。
つまり、D社は、いくつかの「給油所(ガソリンスタンド)」を経営していて、そこでガソリン、軽油等を販売していました。
ある時、D社は、自社の各々の給油所(ガソリンスタンド)に「レジャーライフショップ」を併設して、そこでお客がショッピングできるようにしました。
他方、E社が経営するレストランは、B1フロアとB2フロアがあり、両フロア間に「特別シート」を設置していました。
B1フロアとB2フロアには「カウンター」があり、飲料と加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)を販売していました。
B1フロアとB2フロアのお客は、「立ち見」で、B2フロアのステージで行われるロックの生演奏を鑑賞でき、特別シートのお客は、「着席」して前記生演奏を鑑賞できるようになっていました。
スライドNo.37は、先のスライドNo.36に示した事例5の経緯の続きです。
E社が経営するレストランでの販売状況ですが、お客が、B1フロアとB2フロアの「カウンター」で、希望する加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)を買うと、「透明なプラスチック製の容器または紙箱」に入れて渡されていました。
その容器または紙箱には「POWER STATION」のマーク(これは商標登録されていません)が入っていました。後述するように、これが問題になりました。
また、E社が経営するレストランでは、このようにしてお客が買った加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)を、お客が持ち帰ることを予定していなかったので、そのための紙袋や包装袋は用意されていませんでした。
実際、買った加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)をお客が持ち帰ることは、禁止されていませんでしたが、持ち帰りはほぼ皆無といってよい状況だったそうです。
E社が経営するレストランでの加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)の販売状況を知ったD社は、自社の登録商標「パワーステーション」の商標権に基づいて、商標権侵害でE社を訴えました。
ここで、D社のとった考え方と行動を考えてみましょう。
(1)D社は、自社が持っている、そして現に使用している登録商標「パワーステーション」に類似する商標「POWER STATION」を、E社が運営するレストランで加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)を入れる容器や紙箱に付けて使用しているのを見つけました。
そして、E社のその行為は、自社の登録商標「パワーステーション」の商標権を侵害するものだから、E社のその行為を止めさせたい、と考えたわけです。
(2)確かに、E社が使用している商標「POWER STATION」は、A社が持っている登録商標「パワーステーション」に類似します。
しかし、E社が自社のレストランでお客に提供している加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)は、客がその場で食べて消費するものとして調理され、販売されているものだから、一般市場で流通に供されることを目的として販売されているものではありません。
従って、E社が販売する加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)は、商標法2条3項にいう「商品」に当たりません。
つまり、「POWER STATION」というマークを自社の運営するレストランで加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)を入れる容器や紙箱に付けて使用するというE社の行為は、D社の登録商標「パワーステーション」の商標権の侵害とは言えないのです。
これは、当時の裁判所の判断です。
続いて、スライドNo.39を参照しながら、先のスライドNo.38に示したD社がとった考え方と行動についての検討を続けましょう。
(3)E社が自社のレストランで行っている前記行為は、明らかに、加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)のお客への提供です。つまり、加工食料品をお客に提供するという「役務(サービス)」を自社のレストランで行っているにすぎないのです。
注意が必要なのは、レストランにおけるこのような役務(サービス)は、一般的には、加工食料品(ホットドッグやハンバーガー)に類似すると考えられるから、D社の登録商標「パワーステーション」の商標権を侵害することになり得る、というのが、特許庁の考え方です(「類似商品・役務審査基準」を参照)。
しかし、このような特許庁の考え方には、「例外」が書かれています。つまり、特許庁のその考え方はあくまで「一般論」であって、事例5における「加工食料品」という商品と「加工食料品の提供」という役務(サービス)が類似するか否かの判断は、その「具体的な実情」、つまり、「E社が自社のレストランで行っている前記行為が具体的にどのようなものであるか」を考慮して判断される、とされているのです。
この点に注意しないと、D社のような失敗を招く可能性が高くなりますので、注意が必要です。
「ライバル企業を商標権侵害で訴えたい」とお考えのときは、必ず、「訴訟を提起する前に」、弁理士等の専門家から助言をもらうようにしてください。
スライドNo.40を参照しながら、この事例5から読み取れることを考えてみましょう。
第一に、
(1)事例5のように、自社の登録商標に類似する商標を、その登録商標の指定商品に類似する商品または役務(サービス)について他社が使用する行為(つまり、類似ー類似の場合の商標使用行為)を、前記登録商標の商標権で止めさせようとするときは、十分な注意が必要である、ということです。
第二に、
(2)商標の類否については、相手が使用している商標が、自社の登録商標に非常に似ていて「誰が見ても明らかに類似する」と言える場合は問題は少ないが、そうでない場合は、「相手が使用している商標が自社の登録商標に類似することを、どうやって立証するか」を考えておく必要がある、ということです。
第三に、
(3)商品・役務については、相手が使用している商品や役務が、自社の登録商標の指定商品や指定役務と明らかに同一となるようにすべきである、ということです。
事例5のように、裁判所に「商品と役務が互いに類似する」という判断を期待するのは、リスクが大きすぎるのです。
以上から言えることは、事例5では、D社は、 「加工食料品」という商品についてだけではなく、「加工食料品の提供」という役務(サービス)についても、商標権を取っておくべきだった、ということになります。
そうしておけば、D社は、前記裁判においてE社がD社の商標権を侵害したことが裁判官に認められ、勝訴できたことは間違いありません。
具体的に言えば、商標登録出願の願書において、例えば、以下のように記載すればいいのです。
【商標登録を受けようとする商標】パワーステーション
【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】
【第○○類】
【指定商品(指定役務)】 加工食品
【第○○類】
【指定商品(指定役務)】 加工食品の提供
以下は、事例5に直接関係するわけではありませんが、中小企業の経営者に知っておいてほしいことです。
(4)図あるいは文字だけから構成される商標を出願する場合と、図と文字を組み合わせて構成される商標を出願する場合で、商標権を取得できる可能性が変わり、取得する商標権の権利範囲も変わる、ということです。
(5)例えば、図と文字の組み合わせからなる商標をそのまま出願するか、前記商標を構成する図と文字のいずれか一方だけの商標を出願するか、前記商標を構成する図だけからなる商標と、前記商標を構成する文字だけからなる商標を別個に出願するかで、商標権で保護される範囲が大きく変わる、ということです。
(6)基本となる商標だけでなく、それに類似する商標も併せて権利化すると、それらの商標が使われる商品・役務(サービス)についてのニッチ市場を独占しやすい、ということです。
(8)商標は簡単に模倣されるから、ニッチ市場の独占を意図しているときは、その市場を常に監視し、他社の違法行為を見つけたら、直ちに、「自社の商標権を侵害しているから販売を中止するよう要求する警告書」を送ったりして、迅速に対処することが大事だ、ということです。
以上で、特許、意匠、商標に関する事例を使った説明は終わりです。
最後に、「中小企業に対して弁理士が貢献できることは何か」について触れて、本セミナーを終わることにします。
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